2015年に発売された表裏でフレームが異なるデザインを採用したデュオラ10。阿修羅男爵みたいなリー・チョンウェイ選手の広告が印象的です。実際にデュオラ10を使っていたかは不明ですが。
デュオラZストライクが気に入ったのでデュオラ10もついでに入手してみました。今回レビューするラケットはJP版(日本正規版)の3U5になります。
公式スペック&テクノロジー
素材もしくはカーボン成形技術向上のおかげか、アークセイバーシリーズに比べてストリングテンション最大値が大幅に向上している。
3Uは26ポンドまでと表記があるけど実際は+3-4ポンドくらいは余裕かと。
それとデュオラ特有の表記として、打球感が表裏で異なっているのも特徴。エアロ形状(バック側)の方が硬め。
グラフを見る感じだと、アークセイバー11よりほんの少しヘッドヘビー。実際にはバランスは大きく変わらないけど打球感はそこそこ違う。
デュオラ特有のテクノロジーを2つほどピックアップ。
デュアルオプティマムシステム
フォアとバックで異なる形状を組合せ、ナノメトリックDRを採用。フォアとバックそれぞれのショットでパフォーマンスを高める。
球持ちを追求したボックス形状と弾きを向上させたエアロ形状のコンビネーション。ブレイブソードとアークセイバーを合体させたみたいな、好いとこ取り。阿修羅男爵みたいな。
ラケット素材がウッドからカーボンへ変更になったレベルとまでは行かなくても、昨今のラケットデザインにおいて革新的なアイデア。
開発秘話はバドスピさんを参照。
ナノメトリックDR
「粘り強さ」と「反発性能」をかつてない高次元で両立する、ヨネックス独自のナノサイエンス技術を駆使したカーボン素材。
DRはデュオラの略かな?ナノアロイ®テクノロジーっていう東レの技術を採用したみたい。釣り竿なんかで使われていて、凄く簡単に言うとカーボンそのものではなく接着樹脂をより細かくナノレベルで分散させてカーボン特性を向上させる技術。主にボックス側のフレームに採用されている。
エアロ側はNi-Tiファイバーとうチタン系素材を複合させて弾きを向上させている。
いつも思うんだけど、こういう比較対象の「従来カーボン」ってなんだろう?
実測スペック
所有している3U5を計測してみました。ウェットグリップ (AC108)+VBS-66N (Victor) に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。
重量(3U5) | 91.4グラム |
バランスポイント | 約313mm |
シャフト経 | 7mm前後 |
フレーム厚 (12時) | 11.02mm |
フレーム厚(3時) | 11.20mm |
バランスポイントはグリップエンドから測定しています。
スウィングウェイトは財力の都合により、プロショップユゲさん を参考に。3Uはやっぱりヘッドヘビー寄りです。
重量
約91グラム(グリップ+ガット込み)。一般的な3Uだけど、僕のデュオラ10はやや重め。ふとナノフレア700の4Uを思い出したけど、3Uデュオラと2グラムしか変わらない。
シャフトの太さ
スーパースリムシャフト。ヨネックスで多く使われているシャフト経。
フレーム&ラケット面
表裏で形状が違うからもちろんグロメットの位置もボックス側に寄っている。というより、エアロ形状側のフレームが突き出ていると言った方が正しいかな。
塗装
僕が購入したカラーは旧カラーのグリーン・オレンジ。最近はマット系のフィニッシュが主流だけど、デュオラ10は艶ありフィニッシュ。クラシックな感じ。心理的な作用や、バドミントンの伝統なんかも関係してると思うけど、やっぱり売れるカラーはオレンジ系。個人的にはデュオラ10のブラックとグリーンの組み合わせがかなりかっこいいと思っている。買った人に申し訳ないけど、新色のブルー・オレンジは正直イマイチな気がする。メインで使う側に合わせてガットやグリップの色を変更出来る点もデュオラ10の魅力かな。
実打レビュー
ガットはお馴染みVictorのVBS-66Nを26ポンドで張ってます。
結論から言うと、やっぱり「テクニカルなラケット」かな。意識しないレベルまで慣れれば問題無いと思うけど。
フォア側はバランス的には伝統的なイーブン寄りのヘッドヘビー(3U)でシャフトも硬すぎず、アークセイバー10なんかより弾いて使いやすい。
パワー&トルク
スイングウェイトを見る感じだとアストロクス88Sとほとんど同じ。だけど、実際に使った感じだと88Sより持ち重りする。ココらへんは88Sのウェイト配分が理由かもしれない。
スマッシュ。フォア側。スマッシュは、シャフトはそんなに硬すぎず、面がしっかり安定しているので精度の高いスマッシュ打てる印象。
バック側。高音で弾きが良く手首だけで打つようなスマッシュでも速度がそこそこ出る。バック側の打球感は独特で、他のラケットには無い打球感。
ドライブ。フォア側はアークセイバー11ほど球持ちは良くなく、アストロクス88Sほど粘りはないけど、全体的な重さでトルクのある球が打てる。ただし連続で打ち合うにはどんよりした重さが気になるところ。
バック側のドライブ。NR900に近い高音系で硬さも相まって、ラケット面がブレず精度の高い球が打てる。特にクロス方向へ凄く打ちやすく感じた。
レシーブ。フォア側でレシーブは中庸。特に目立った点はないけど、バック側でのレシーブは割りと楽。パチーンと軽い力で飛ばしやすい。ただし、アークセイバー11と比べると粘らないので若干コントロールが付けにくい。
コントロール
クリア。ラケットの重さと弾きでフォア&バックともに普通に飛ばしやすい。確かに、多くの人がコメントしているようにバックハンドでのクリア(バック面)はカキーンと言った感じで明らかに違いを感じられる。
カット&ドロップ。ヘッドヘビー寄りなので割りとコントロールが付けやすい。当たり前の意見で恐縮ですが、バック面をバックハンドで打つカットは打ちやすい。切れ味があると言えばいいのか、パシュっと打てる。
ネット前。特にコメントがないくらい平均的。ただし、微妙にフォアとバックで感覚が違うから慣れるまで若干球が浮いたり、沈んだりしがち。特にネット前だと致命傷になりやすいなと言った感じ。
振り抜き&ハンドリング
上記で述べたけど、振り抜きも取り回しもクラシックなややヘッドヘビーの3Uと言った感じ。今までヨネックスの3Uを使ってきた人であれば特に違和感無く使えるかと。
フォアとバックで振り抜きは違う?と聞かれると、素振りでは体感出来るレベルではない。目をつぶってランダムで素振りしても分からない。ただし、実際にシャトルを打つと違いは明確。
管理人の一言
シャフトの長さや、バランスなんかはアークセイバー11に近いラケット。いわゆるオールラウンダー。違いを言えばデュオラ10はアークセイバーみたいな球持ち感は無いけど、スマッシュはもっとトルクが出てパワーのある球が打てる事と、バック側の打ちやすさはデュオラ10特有。性能面で言えばデュオラ10の方が勝っている点が多い。表と裏を自分の打つ球全てで使い分け出来ればアドバンテージになる事は間違いない。
だけど、長所があれば短所もあるわけで、表と裏が違う点が使用難易度を上げている。シングルで使う分には自分で打つ球をほとんど決められるから影響は少なく、むしろアドバンテージが多く感じるけど、ダブルスの場合は気を使う要素が多く長期間使用して慣れないと小さなミスが増えるかなと言った印象。慣れる過程で、忍耐出来ずに使わなくなった人も少なくない気がする。アークセイバー11が売れ続けている理由の1つがここにあるような。
それと個人的にフォアとバックで設定しているけど、バック側をメインで使っても全然問題無い。ココらへんは先入観を捨てて自分の好みで使えばいいかなと。ジョーティエンチェン(周天成)なんかはバック側をメインで使っているし。
月並みだけど、シングルメインでイーブン寄りのヘッドヘビーを探している人にお勧め。
YONEX ヨネックス DUORA10 デュオラ10 DUO10
いつもラケット購入の際、参考にさせて頂いています。デュオラZストライクのレビューを宜しかったらお願いします。
コメントありがとうございます。時間があったら書いてみようと思います。