バドミントンにも8:2の法則があるらしく、コーチいわくフットワークが勝敗の八割との事。どの種目によるかで変わるとは思うけど。なにはともあれ、フットワークに直接関わってくるシューズそしてインソールは直接プレイに影響する大切な要素。
自分はシューズの履き心地にそこそこうるさい方なので、色々な市販インソールを試してきました。これまで使ってきたインソールを独断と偏見でレビューしてみます。シューズやソールは足型や歩行クセなんかで履き心地がかなり変わるので参照する際はご注意下さい。
BMZ
群馬に本社がある2004年創業のインソール専門メーカー。アーチサポート系とは違う独自の立方骨サポート理論でインソールを開発。公式サイトの商品情報の一部が欠落していて、データが無い部分は自分が所有しているインソールで計測しています。
カルパワースマートスポーツ
初めて買ったBMZ。どんなシューズでもしっくりくる。表面素材の耐久性が高いので、長期間履いてもへたりにくい。サポート強めのインソールとは違って、立方骨で支える設計。立体感はBMZの中でもやや強め。慣れが必要。
つま先周りの厚み:3.7mm
片側の重量(25cm基準):32g
カルパワー カーボンプロ6
0.6mmのカーボンという意味なのかな?今のところメインで使ってるインソール。BMZの中ではサポートは強めだけど、アーチサポート系のインソールとはサポートの感覚はかなり違う。アーチ周りに反発性があって、不思議と足裏に力が入る。滑りにくいし、過度なサポートによる違和感もない。素材が良いのか耐久性もダントツ。最大の問題は値段。普通にカスタムインソールが買える値段。だけどBMZを買うならカーボン。安定感と反発性が違う。
つま先周りの厚み:4.1mm
片側の重量(28-29cm基準):41g
カルパワースポーツ カーボン6
カーボンプロ6と何が違うのかわからない。プロの方がもう1枚レイヤーが入ってるのかな?。自分レベルでは履いた感じはあんまり変わらない。
つま先周りの厚み:4.0mm
片側の重量(25cm基準):40g
ラケットスポーツ専用インソールT4
練習用にと数足購入。つま先周りがやや薄いくて軽い。カーボンみたいにサポートや突起が強くないので、初めてBMZを履く人はこのモデルから試すのが良いかと。つま先の厚さはキュボイド > カルパワー > T4の順。
つま先周りの厚み:3.0mm
片側の重量(28-29cm基準):32g
松本義肢製作所
100年以上の歴史がある義足メーカー。着実にファンが増えているようでモデル数も年を重ねる毎に増えている様子。値段も合理的で、セミカスタム、完全なカスタムオーダーも可能。シューズ本来の設計をあまり崩さない設計も好感が持てる。フルカスタムのインソールは名古屋の本社まで行かないと作れないとのこと。フルカスタムのインソール作ってみたい。
フュージョンフレキシ
ファーストモデル。あんまりフォームされたインソールは好きじゃないけど、実際に履くと硬すぎず、しっくり来たのが意外だった。特に踵周りがピタッとくる。このサポート感でこの重量を実現しているのも凄い。フレキシGやライトと共通して、インソールが滑りにくいという点もナイス。つま先周りの不織布の耐久性は若干難有り。
つま先周りの厚み:3.0mm
片側の重量(25-26.5cm基準):36g
フュージョンフレキシG
フレキシの外はねが強化されていて、横の動きに強いバージョン。バドにはこのモデルがお勧めという話を聞いて購入してみた。横系の動きは僅かに安定する感じはある。つま先の厚みもオリジナルより1mm増し。柔らかいシューズに装着すると外はねが若干目立つ。
つま先周りの厚み:4.0mm
片側の重量(25-26.5cm基準):44g
フュージョンフレキシライト
リーズナブルなプライスでコスパ高め。フォームされすぎず、インソールも滑りにくい。つま先周りの厚みも4mmあるので耐久性も悪くない。クセが少ないから誰にでも勧められる。ヨネックスやビクターのデフォルトのインソールよりはあらゆる面で◎。
つま先周りの厚み:4.0mm
片側の重量(25-26.5cm基準):32g
バネインソール
どこかの番組で勧められていた。東急ハンズで見かけて、店員の話を聞いていたら買わざる得ない状況に。日本の会社で、アーチサポート系のインソールを研究開発しているとのこと。
アスリートグリップ
踵周りはフュージョンよりやや硬めで、サポート力は強い。シダス系かなと思いきや、しっくりフィットしたのは意外だった。表面素材を選べる。バドならアスリートがお勧め。自重が重いのは少し痛い。ゴルフモデルはバドによさそう。
つま先周りの厚み:3.8mm
片側の重量(25-26.5cm基準):44g
ゴルフ
「横ブレを軽減」みたいな説明。土踏まずなどのプラパーツに弾力があって固めすぎてない。スエードの表面も相まって滑りにくくしっとりフィット。つま先の厚みは表記よりも厚くバドに丁度いい。総合点高し。
つま先周りの厚み:3.5mm
片側の重量(Lサイズ基準):50.8g
シダス
自称インソールのトップブランド。1975年にフランスで創業した企業。サッカーとかランニングを本格的にしてる人は目にする事が多いメーカー。全体的にがっちりサポートって感じのインソールを作ってる。
アクション 3D
シダスの中ではクセが少ないモデル。わりとかっちりフォームされてる感はある。表面素材の耐久性と滑りにくさのバランスがナイス。ヒールのゲル?はバドには不要かな。
つま先周りの厚み:3.5mm
片側の重量:不明
3フィートアクション ミドル
アーチの高さに合わせて三種類選べる。某ショップの店員に薦められて足型を計測後、表面素材とカラーが好きで2足購入。サポート感はかなり強い。土踏まずが硬すぎて動きにくい。履いてて逆に疲れる。自分には合わなかった。
つま先周りの厚み:4.0mm
片側の重量:不明
ザムスト
医療系のメーカー。誰もがザムストのサポーターにお世話になった事があると思う。良くも悪くも個性が薄い。
フットクラフト
三種類のアーチの高さを選べる。可もなく不可もなく。サポート感はやや弱め。バドで使うならグリップタイプが良いかと。
フットクラフト クッションド for WALK
アーチや踵のサポートはほぼ無い。ベロアみたいな素材でやや滑りにくい。他の滑りにくいソールよりは滑る。ソールに厚みがあるのでサイズの調整用に。
つま先周りの厚み:5.1mm
片側の重量(25-26.5cm基準):32g
フットクラフト クッションド for Sports
某バドミントン雑誌で紹介されていたので購入。指の付け根にクッション系の素材が入っている。鹿の子系の表面素材はツルッと滑る。バドでは全然使えない。どうしても使いたい場合はすべり止め付きのソックスと併用すればなんとか。スポンサーがいないと成り立たないのは理解出来るけど、編集者は自分で試してから勧めて欲しい。
つま先周りの厚み:4.8mm
片側の重量(25-26.5cm基準):32g
スーパーフィート
アメリカのインソールメーカー。インソールの先駆者的なメーカー。自分はバド以外で10年以上愛用しているインソールメーカー。スーパーフィートをバドに勧めている人がいるのは謎すぎる。
ブルー、オレンジ 、ブラック
バド以外の用途で愛用。敢えてシューズ内で滑らせるというコンセプトがバドとマッチしていない気がする。めっちゃ滑る。普段使いや登山ではなかなか快適。
FLEX
やや軽めのソール。やっぱり滑る。バド用のソールを作って欲しい。
つま先周りの厚み:4.0mm
片側の重量(28cm基準):39g
バランス工房
齋藤さんに教えてもらったインソールメーカー。サポート強い系とは対極に位置する「3点バランス保持理論」を軸にインソールを展開。
ビートレ SP-X2
スポーツ向けのモデル。姿勢の変化を体感レベルで感じられなかったけど、足裏に力が入りやすいのはほんのり実感出来た。スウェード調の素材で滑りにくいのも◎。サポートパーツがないのでめっちゃ軽い。耐久性はそんなに良くない。
つま先周りの厚み:約4.0mm?
片側の重量(28cm基準):約22g
フォームソティックス
ニュージーランドの医療用インソールメーカー。フルオーダーでインソール作成も可能らしい。
Racket Sports Dual
軽い。滑りにくい。ほどよい硬さで足になじむ。違和感も薄め。踵や土踏まずのサポートを求める人には向かない気がする。
ニューバランス
RCP130
軽くて滑りにくい。汗をかくとやや滑る。デフォルトのインソールに滑りにくさをプラスした感じ。フェザーレベルの軽さ。
つま先周りの厚み:約4.9mm
片側の重量(28cm基準):約13g
ミズノ
ミズノエナジーインソール
モチっとした標準ソール。他のデフォルトインソールよりは作りが良い。最大の問題は滑るという点。これで滑りにくいソールだったらインソールを買う必要がなくなるかも。
つま先周りの厚み:約4.0mm
片側の重量(28cm基準):約23g
ゼログライドカップインソール
サッカー用のインソール。めっちゃ滑らない。滑りにくさのレベルはかなり高い。サッカー用だけあって薄い。シューズのサイズ感が変わるのが辛い。
つま先周りの厚み:約2.8mm
片側の重量(28cm基準):約24g
HEMA
ドイツの医療用インソールメーカー。本社に行けばフルカスタムで作成可能。
ベーシックモデル
オシャレなインソール。ソール裏がカーボン調でかっこいい。表も裏もツルツルでバドには不向き。
つま先周りの厚み:約4.4mm
片側の重量(28cm基準):約59g
スペンコ
1960年代後半からインソールを作ってるアメリカに本社があるメーカー。緑が特徴的。凄い種類。
Cross Trainer
芝生を踏んでるみたいで、結構沈む。履き心地はいいけど、力がソールに伝わる前に吸収される。動かない人向け。
ビクター
VT-XD10
エナジーマックスとポロン搭載で1000円強。デフォルトインソールの消耗時の交換用であれば合格点。
23运动科技
タオバオに出店しているインソール専門店。シューズ用の足型を取る特殊なスポンジ?を送ってきて、静態で自分の足型を取って送り返す。その後2週間くらいで製品が届くという仕様。
オーダーインソール
滑らないし耐久性もかなり高い。ただそれゆえに重いのが最大の難点。詳細な歩行データを取ってるわけじゃないので、セミカスタムという位置づけかな。日本にいるならフュージョンフレキシのセミカスタムを作った方が全然良い。
つま先周りの厚み:約5.0mm
片側の重量(28cm基準):約67g
ヨネックス
アジリティインソール(AC196)
デフォルトのインソールより厚く、アーチのサポートが気持ち追加されている。アーチのサポートではなく、けり出しの反発性の強化が主要な目的かと。普段使っているBMZのカーボン6も反発性があるからあまり大きな違いを感じない。という事は反発性は確かに強化されているのかも。重さが気になる。ポリ多めのソックスとの相性は悪い。19120だとノープロブレム。安価なシューズと組み合わせると良いかも。
つま先周りの厚み:約6.0mm
片側の重量(Lサイズ基準):約53g
アシサプリ
1989年からインソールを作っているプレスコントロールという会社のブランド。良心的な値段で割と好感が持てる。中国製。
スポーツプロ
アーチは低め。だけどパーツはガチガチで、踵に衝撃吸収材が張ってある。そこそこフィットする。値段もリーズナブル。最大の問題は滑る素材と重量。これで滑らないモデルが出たら長期的に試してみたいところ。
つま先周りの厚み:約4.0mm(Lサイズ)
片側の重量(Lサイズ基準):約58g
BioPed
1981年に創業のカナダのインソールメーカー。世界中に自社のクリニックがあるらしい。
スポーツ用オーダーインソール
全てオンラインで完結。注文後に足型を取るパッドが送られてきて返送。足の写真を送信して一週間くらいで完成。ソール裏表共に滑りにくく耐久性も悪くない。カスタムインソールはやっぱり重い。日本円にして7000円強。かなりリーズナブル。
つま先周りの厚み:約5.0mm
片側の重量(28.5cm基準):約68g
まとめ
インソールを変えるより、先ずはシューズのサイズやワイズが合ってる事が1番重要。その次は靴下。インソールはラケットと同じく「これが最高」みたいなのは存在しない。扁平足の人はお金がかかるけどオーダーメイドでインソールを作った方がいいし、アーチがある人はサポートが強いインソールだと逆にジャンプやけり出しが阻害されやすい。
滑りにくさも大切。滑りやすいインソールは摩擦が少なくて力が横方向に逃げてしまう。バドは左右のけり出しやジャンプが多いので、ランニングみたいにわざと滑らすインソールはマイナスでしかないかと。
BMZのT4、フージョンフレキシのライト辺りは軽くクセも少なめなので、初めてサードパーティインソールを試すには悪くない選択肢。