2019年にハイパーナノシリーズに変わるオールラウンド系の新シリーズとして開始されたドライブX。シリーズ第1段として発売されたドライブX 7Kをレビューしていきます。
ビクターはヨネックスを意識しているのか7シリーズは中・上級者モデルで「K」という表記はスマッシュ系のラケットという意味になります。
公式スペック&テクノロジー
カタログと公式サイトで推奨張力が違う点は毎度おなじみ。3Uで29ポンド, 4Uで28ポンドまで。高テンションに対応。次で紹介しますが連続グロメット採用で高テンションでも陥没しにくくなっています。
特筆すべきはフラッグシップモデルに採用されているお馴染の三菱パイロフィルや東レのトレカなどといったカーボン素材を使用していて、スペックは最上級モデルと大差がないのに定価2万円を切る価格。実売価格は1万円台前半とコスパは高い。中国製。
スペック上はヘッドヘビー寄りの硬めの打球感。マトリックスを見るとかなりヘッドヘビー寄り。
新シリーズのドライブXは新しいテクノロジーが幾つか搭載されています。その中で特徴的な2点を紹介します。
1. ダイナミック-ヘックス
ヘックス=六角。ドライブXはタイプで言えばボックスフレームだけど、フレームの上・中・下で形状を変化させている。
1. 連続グロメット
ビクターで連続グロメットはかなり珍しい。今まで使った事のあるビクターラケットの中で初めてかも。負荷がかかる2時から10時に連続グロメットを採用。陥没防止がメインだと思うけどパワーロスが減るとの事。名作ハイパーナノX 6SPも一部ロットで陥没問題が発生していたみたいで今作では対策を講じてきている。
実測スペック
所有している3U5を計測してみました。
ウェットグリップ (AC108)+ナノジー98にYonexアンダーラップを2周巻いてます。
バランスポイントはグリップエンドから測定しています。
重量(3U5) | 88.3グラム |
バランスポイント | 約314MM |
シャフト経 | 6.95MM前後 |
フレーム厚 (12時) | 約10.4MM |
フレーム厚(3時) | 約10.6MM |
重量
平均的なビクター3Uの重量。
シャフトの太さ
オーソドックスな6.8mmシャフト。計測すると塗装のせいか7ミリに迫る太さ。シャフトが曲がるポイントを調整して、シャトルに角度がつくようになったとのこと。
フレーム&ラケット面
よく見ても普通のボックスフレーム。グロメット周りの溝もいつも通り3時あたりで切り替わっている。
塗装
チャコールグレーのマット塗装がベースで、オレンジと赤の差し色。赤はメタリック塗装。落ち着いた塗装であきがこない。ケバケバしくないし結構カッコいい塗装だと思う。
実打レビュー
発売してすぐ購入したので2年ほど使ってきました。オールラウンドの鏡アークセイバー10なんかをターゲットとして開発されたようで、ドライブX 7Kに関しては使っていてコンセプトが分かりやすく感じました。
結論からいうと「ビクターが解釈したアークセイバー11」。個人的にはアークセイバー10には似ておらず、どちらかというと11に近いイメージ。近いと言っても打球感は「ビクター」です。
パワー&トルク
3Uは硬めのヘッドヘビー。面のブレも感じないし普通にいい球が打てる。始めたばかりや上級者向けラケットに慣れていない人は硬さを感じるかもしれない。だけど、このある程度の硬さがあるからスマッシュも速度が出るしコントロールも付けやすい。
スマッシュを打つと凄く分かりやすいんだけど、パチュイーンって感じのビクターらしい打球感は健在。これが好きでビクターを使ってる人は少なくない。
弾きはアーク11より若干良いからドライブは個人的に7Kが好み。パワーを込めた分しっかり反応してくれる。タッチも僅かに早く感じる。
コントロール
アークセイバーはラケット全体に粘りがあるような打球感だけど、ドライブX 7Kはシャフトは硬く、ラケット全体というよりフレームに粘りがある=モワッと感が少しある。だから打った感じはアーク11より若干硬く感じる。
フレームに少しモワッと感はあるけど感度は必要十分。普通にカットやドロップなんかもノープロブレム。クセが少ないからすぐに慣れると思う。
クリアーも良く飛びます。アーク11より弾きはいいからパチーンと飛んでいきます。ただし、硬さ故かすごく軽微だけど振動が残る。
ハンドリング
ヘッドヘビーだから3Uに限って言えば良くはないかな。良くも悪くも平均的なラケットだけど、ハイパーナノX 6SPよりはバランスが良いせいかどんより感が少ない。ダブルスで使うなら4Uで良かったかもしれない。発売したてでスイングウェイトも分からず買っちゃたから少し後悔。
管理人の一言
新シリーズ第一段という事で細かく何度も調整してリリースしたんだろうなって感じが伝わってくる。
個人的にはプロ向けというより、ハイパーナノX 6XPのアップグレード版みたいな。アマチュアの上手い人向けで、硬め、少し粘りがあって打球が安定しやすいボックスフレーム、ヘッド寄りのバランスと嫌いな人が少ない丁度いい塩梅で仕上げてきている。ガットも使う人も選ばずクセが少ない良ラケット。ただしやや硬めの打球感なので初心者だったり硬いラケットに慣れていない人にはお勧めできない。
魅力的な点はコスパ。1万円台前半でこのクラスのラケットは買えないんじゃないかな。ダブルスで毎日練習なんかで使ってる学生だったり、アーク11より弾きが良くて打球感が若干硬めのラケットを探している人なんかにお勧め出来る。ガンガン当てても惜しくないプライス。
ある程度打てる人のビクター入門として初めの一本で買ってみてもいいかも。ヨネックスの最上級モデルとそんなに遜色無いし。
初めまして、ビクターのラケットを検討してるんですけど、7K、もしくはビクターのラケットは、ヨネックスの88DProほどのヘッドヘビーのラケットは無いんでしょうか?
表記やマトリックスでは、トップヘビーなのに、レビューではイーブン寄りと色んなレビューや動画をみても発言してるのでどちらが正しいのかわからないので教えてもらえると嬉しいです。
本来なら実際振って確かめたいのですが、近くのショップで取り扱って無くて確認が出来ない状態です。
コメントありがとうございます。ビクターのラケット表記はヨネックスのように正確ではないの確かです。感覚的にはシリーズ内での傾向を表記しているのかなーと思います。88DPの4Uであれば、オーラスピード90Kなんかは好敵手かなと思います。シングルス用であれば龍牙1代目も悪くないと思います。個人的にビクターはエアロ系フレームのイメージが強く、安定したかっちりした打球感を求めているようでしたらあまりお勧めは出来ないかもしれません。
返信ありがとうございます
機械ではなく感覚で表記されてるんですね
参考にさせていただきます。
ダブルスをやっていて88dproを使っているんですけど龍牙2を買ったら感覚はけっこう変わりますか?
結構違うと思います。バランス的にも88DPRの方がヘッド寄りで、リュウガ2の方が柔らかく感じると思われます。