実用可能な範囲で極限まで細さと硬さを追求したカスタムエッジタイプK。ある意味突き抜けている面白いラケットで、僕もいまだに取り出しては使っています。
他にはない独特の打球感が魅力のタイプKをレビューしていきます。残念ながらタイプN同様カタログ落ちしています。
公式スペック&テクノロジー
スペックを見ると、打球感は硬め、スイングバランスはトップヘビー。実際にはトップヘビーではありませぬ。デュオラ10に近いバランス。ヘッドヘビー寄りのイーブンと言った具合。
推奨テンションがタイプNより低めの26ポンドまで。何故だろう?
フレーム素材に、M40が使われている。タイプNより高弾性なので、硬さと筋肉質な打球感を作り出す為に採用したのかな。
タイプNと同じくメイドイン台湾。ゴーセンの品質は本当に素晴らしい。
テクノロジー紹介ページが見つかりませんでした。タイプNとそんなに変わらないと思われるので、気になる方はこちらを参照して下さい。
実測スペック
所有している3U5を計測してみました。ウェットグリップ (AC108)+VBS-66N(Victor)に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。
バランスポイントはグリップエンドから測定しています。
重量(3U5) | 88.8グラム |
バランスポイント | 約314mm |
シャフト経 | 6.65mm前後 |
フレーム厚 (12時) | 9.5mm |
フレーム厚(3時) | 10.0mm |
スウィングウェイトは見つかりませんでした。
重量
約89グラム(グリップ+ガット込み)。タイプNより若干重め。いわゆる3Uの重量かと。
シャフトの太さ
1番細いところで6.65mm。タイプNと同じで、現在バドミントンで使用されている細さで限界に近いレベル。ビクターなんかは6.4mmって細さのシャフトを使っている。
フレーム&ラケット面
タイプNと大きく変わらず、暑さは平均的なー前後。いわゆるハーフソードフレームで、フレーム上部がやや菱形になっていて、フレーム下部がボックス形。
塗装
ゴールドをベースに、ホワイトとブラックで引き締めたカラーリング。デザインパターンはかなり好みなんだけど、個人的にゴールドが好きじゃない。
ベージュはモノトーン系の相性がいいけど、ネイビーやグリーンでもトーンによってはいけるからビクターVBSシリーズのブルーもフィットするかな。後はTwitterでコメント頂いたように、エアロバイツのグリーンなんかも合うかもしれない。
グリップエンドはお馴染みのデザイン。
実打レビュー
ガットはVBS-66Nを26ポンドで張ってます。全体的な平均値が高いガット。
タイプKを形容すると、「無駄のない筋肉質なラケット」。シャフトは硬いけど、キチンとしなる。それでいて振り抜きにもったり感がない。
それでは、数年間使ってきたタイプKの打球感をレビューしていきます。
振り抜き
「極限まで薄く、細く…」というキャッチフレーズ通り、確かに振り抜きは優秀。フレームの薄さ、それとハーフソード形状のフレームが貢献している。フェイス面積が55インチと主流ラケットにくらべて1インチくらい小さい事も関係していると思うけど。
それとタイプKのテクノロジー紹介にあったサメ肌デザイン?本当に空気抵抗減少に影響があるのか知りたい。
パワー&トルク
パワーのある人がこタイプKを使うとスマッシュスピードが上がりやすい。振り抜きの良さで初速が上がり、筋肉質なシャフトとフレームのしなりで、たわんだ後の復元が速い。確かに硬いんだけど、木刀みたいにはならない。同じくシャフト〜フレームの復元する速度が速いフォルティウスツアーなんかとはまた違う打球感。
打球感で言えばZストライクに似ている。ただし、衝撃吸収性能は劣るからタイプKの方が若干手に響く感じがある。イーブン寄りのスイングバランスと振り抜きから、姿勢が崩れた状態や、飛びついて上から打つ場合のような、フルスイング出来ない状態でも速い球が打ちやすいのも特徴かと。この筋肉質な打球感は独特で、他のラケットにはない魅了。
ドライブ。この硬さと振り抜きで、個人的にはドライブが真骨頂かな。一定の握力が要求されるけど弾きもいいし、ラケット自体にパワーがあるから押し負けない。それとこの硬さ故に狙った場所に打ちやすい。文面を見るとナノレイ900に近いように感じるかもしれないんだけど、もっとトルクがあって、ほんのり粘りがあるイメージ。
レシーブ。力の入れ方が若干シビア。瞬間的に力を入れてグリップを握れる人じゃないとシャフトを曲げられず後ろまで飛ばせないかも。
コントロール
力が弱い人が使うとクリアは飛ばしにくいと感じるかもしれない。キチッとラケットを振れて、握れる人が使えば弾きが悪くないからそんなに力まなくてもシャトルが飛んでいく。
カット&ドロップ。ヘッドヘビー寄りのイーブンバランス+感度の良さが相まって打ちやすい。シャトルヘッドを感じながら打てる点も高ポイント。
ネット前。感度は高いけど、粘り感が若干薄めでシャトルが滞留している時間が若干短く感じる。ココらへんはガットの性質が大きく関係しているかと。
管理人の一言
タイプKはこの筋肉質な硬さという点で突出している面白いラケット。似たようなラケットはほとんど存在しないけど、あえて言えば上述したようにデュオラZストライクが打球感及びバランスが近い。だけど、Zストのようなコンパクトフレームじゃないし、ラケット面を気にする必要もない。
使用者には一定の水準と力が要求されるから万人向けとは言えないけど、しならせることが出来れば戦闘能力が大幅に向上する。パワーに自信があればBG80Pなんかと組み合わせて攻撃力を上げてもいいし、ナノジー98とか、VBS-66Nなんと組み合わせれば弾きがよくなってスマッシュと取り回しのバランスが良くなる。
シングルでもダブルスでもどっちでも使えると思うけど、個人的にはダブルスの方がアドバンテージが高いと思う。程よい振り抜きの良さや、ドライブのパワー、フレームがコンパクトじゃないからコンパクトフレームより打ち損じが少ない。
バランス的にはヘッドヘビーよりのイーブンと言った感じなので、アークセイバー11よりもっと硬めのラケットが欲しい、ナノレイ900の3Uよりもう少しパワーが欲しい人なんかにもおすすめ。Zフォース2を使ってて、ダブルス用にラケットを買い替えたい人なんかにもお勧めできる。
衝撃吸収性が低くて疲れやすいのが欠点なんだけど、同じような打球感でこの点を改善したラケット出してくれないかな。個人的には名作の1つだと思う。