【ミズノ】フォルティウスツアー 実打レビュー

2018年春に発売されたフォルティウスツアー(FORTIUS TOUR)。ユニシスの早川賢一氏が監修しているラケットで2019年現在フォルティウスツアー, ツアーF, ツアーV, 新モデルの10クイックと10パワーの5モデルが展開されています。セティアワンとアサンがミズノと契約しており、フォルティウスツアーはセティアワンが使用していたモデルになります。

僕自身昨今最もお気に入りの一本で一年近く使ってきました。ミズノ会心の作フォルティウスツアーのレビューをしていきます。

公式スペック&テクノロジー

公式スペック的は、硬めのヘッドヘビー。3Uと4Uの二規格。実際にはイーブンよりのヘッドヘビーと言った具合。

ガットの推奨テンションが27ポンドまでなので、30ポンドくらいは余裕で張れると思われる。

フォルティウスツアー スペック3フォルティウスツアー スペック1テクノロジーに関しては下記参照。勝手に総括するとフレームの設計にこだわってますよ、と。フォルティウスツアーシリーズに関してはそこまでテクノロジー押しはしていないイメージ。

実測スペック

現在3Uを5本、4Uを3本所有しています。設計もしくは生産している工場の問題かヨネックスに比べてばらつきが目立ちます。所有している3U5と4U5を計測してみました。

ウェットグリップ (AC108)+VBS-66N (Victor) or ナノジー98に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。因みに自分が使用しているラケットは全て元グリップ無しです。バランスポイントはグリップエンドからの測定になります。

スウィングウェイトはプロショップユゲさんを参考に。3Uはヘッドヘビー寄りです。

重量 82.9グラム(4U5), 86.5グラム(3U5)
バランスポイント 約316mm(4U5), 310mm(3U5)
シャフト経 7.65mm前後
フレーム厚 (12時) 10.25mm
フレーム厚(3時) 10.1mm

重量

フォルティウスツアー 重量1フォルティウスツアー 重量23U, 4Uそれぞれの重量。3Uで約86グラム(グリップ+ガット込み)。ヨネックスだと4Uレベルの重量。

シャフトの太さ

フォルティウスツアー4ツアーシリーズの大きな特徴がシャフト径。おおよそ7.6mmと現在主流のシャフト径よりかなり太め

高弾性のカーボンを薄く太く巻いてるのかな?そのおかげで細いシャフトよりねじれにくく、かつある程度たわむから高弾性カーボンにありがちなガチガチ感は無い。さらにシャフトの太さは捻じれへの耐性や面の安定性にも貢献している。とりわけ異常なレベルの弾性に寄与しているポイント。

フレーム&ラケット面

フォルティウスツアー2フォルティウスツアー3フォルティウスツアー5現在主流のエアロ系フレームとは真逆の方向を走る伝統的なボックスフレーム。「フレームは強い」と広告を打つだけ合って面の安定性は抜群にいい。フレーム幅はフォルティウスシリーズの中で最も薄い部類に入る。

ラケット面の大きさは平均的な56インチ。アストロクス88Sなんかとほとんど変わらない。

エアログルーブ=フレームサイドの溝がシャフトまで入っている構造。振り抜きの良さにも貢献しているけど、個人的には見た目が綺麗。

塗装

フォルティウスツアー6
マットブラックの塗装に、艶有りブラックとイエローのコンビネーション。なかなか思い切ったデザインで、流行を追わず我が道を行く感が漂っている。

オールブラックでまとめてもいいし、敢えて相対色のパープル系を差し色に挟んでもかっこいいかもしれない。自分はグリーン系のグリップを巻いてます。

それとグリップエンドも前作のおもちゃみたいなデザインから改善されているのも高ポイント。

実打レビュー

フォルティウスツアーは使用期間も長く、ガットはVictorのVBS-66N, ナノジー98, G-Tone5, エアロバイトブーストやBG66無印なんかを試してきました。

最近メインで使用しているナノジー98を念頭においてレビューしていきます。ガットは27ポンド。

先に結論から言うと「スーパーラケット」。異常なレベルの弾性を持ちつつも面が安定していて、かつ持ち重り感がないベストなバランス。

強者がのさばるややヘッドヘビーラケットの中で、幾つかの点で頭1つ抜けている優秀なラケット。

パワー&トルク

実はスイングウェイトだけを見るとアストロクス88Sなんかと同じレベル。だけど実際の使用感は88Sほど持ち重り感は無くむしろ軽い。ダブルスにおいてこの感覚は非常に大切。

スマッシュ。シャキッとしてるけど、その中に粘りがある感じ。ラケットが力を貸してくれる。ダルさが無くて、フレーム〜シャフトがたわんだ際の復元速度が速い。程よいヘッドヘビーなバランスと、硬すぎずトルキーなシャフト、そしてボックスフレームのおかげでバックライン側から打っても厚みのあるスマッシュが打てる。しかも面が安定している+ねじれ感が少ない為に、この弾性に慣れてれば精度が高くかつ速度のあるスマッシュが打ちやすい。

それと、スマッシュを打った時のバウッっていう爽快感は他のラケットには無い特徴の一つかな。ボックスフレーム+しなるシャフトの組み合わせは鉄板。必ずしもほんのりヘッドヘビーで、硬めのツアーFの方が速度が出るとは限らない。慣れているか否かが主なウェイトを占めているけど、ツアーでも十分速度の出る球が打てる。

当時35歳のセティアワン選手は、公式戦でこのラケットを使って時速400キロ以上のスマッシュ打ってます。

10クイックと比べると、タッチの速さや、上からの球の安定感は10クイックの方が高い。ツアーの方が全体的に速くて、弾性があるから使用する難易度は低め。

ドライブ。独特な弾きの良さの中にある粘りのおかげで押し負けない。88Sもトルキーなドライブが打てる良ラケットだけど、フォルティウスツアーも負けてない。というよりまた別の打球感で88Sと比べると高い弾性から来る速度と球持ち感がより強調された感じ。コンパクトなスイングで打っても力強く速度が出る球が打ちやすい。

コントロール

クリアは言わずもがな軽い力でビヨーンと飛んで行きます。体勢が悪く立て直したい時に打つ時に、この弾力のありがたみをしみじみ感じます。

カット&ドロップ。前作のツアーVに比べてきちんと衝撃は吸収してくれるんだけど、手元にシャトルを触る感覚も残ってるからカットもドロップも打ちやすい。ナノレイ900, ナノフレア800ほど感度が高いわけではないから、人によっては少しモワッとした感じがあるかもしれない。ここらへんはガットによる影響も多少ある。

レシーブ。硬すぎないシャフトのおかげでレシーブは楽。フォルティウスシリーズの中では1番打ちやすい。特にプッシュレシーブはコンパクトで速度の出る球が打てるし、粘りもあるから方向も変えやすい。スマッシュレシーブに関しては弾性が凄いので少し力むとバックラインを超えてアウトになりやすい。若干コントロールがつけにくいかもしれない。

ハンドリング

ラケット自体の軽さと、持ち重り感がないバランスのおかげか、同系スペックのアストロクス88S, アークセイバー11, ブレイブソード12なんかに比べると取り回し易い。

振り抜きは良い方だけど、流石にオーラスピード90Sやナノレイ800とまではいかない。厚みのある打球感と振り抜きの良さと言った一見矛盾したスペックをハイレベルで実現してるラケット。

管理人の一言

フォルティウスツアーは今まで使用したラケットの中でも最高峰の弾力、絶妙なバランスと粘りのある打球感が相まって、自分が使ってきたラケット達の中でもとりわけ完成度が高い逸品です。2021年10月時点で僕が1番気に入ってるラケット。

ダブルスでは、バランスがヘッドヘビー過ぎると前衛やミッドコート付近での取り回しに不安を感じるし、ヘッドライト過ぎるとバックライン付近で打つスマッシュのスピードが気になる。ここらへんがジレンマの1つで、その間を取ると必然的にイーブンよりのヘッドヘビーという選択になってくる。フォルティウスツアーはこの溶融点を高いレベルで提示してくれたラケット。スマッシュのスピードも同レベル帯の中では速度が出る方だし、ラケットの軽さと振り抜きの良さも優秀。タッチも速い。

特にドライブの速さ、トルク感、弾き、速度のある球持ち感に関して言えば現状これ以上のラケットは無いと思う。

フォルティウスツアーの大きな特徴はなんと言ってもこの独特の弾力。ツアーを使っている中国人レビュアーいわく「宇宙レベルの弾性」と言っているだけあって、他のラケットには無い特徴の一つ。

この弾力のおかげで、独特な粘りとスピードを両立した球持ち感、そこから生み出される押し負けないドライブ、体勢が万全でない時に打つスマッシュ、コンパクトなモーションで打つようなシチュエーションで大きなアドバンテージになってるなーと。ミズノはカーボンの調理方法が上手い。

ガットだけど、特徴をより活かしたい人は0.66m前後の高反発系がお勧め。

敢えて欠点を言えば、品質管理が大きな問題。中国製が悪いわけではないけど、今まで総計10本フォルティウスシリーズを購入したけど、その内5本に大きな軸ブレが生じていた。ヨネックスなんかのラケットではまず見た事がないレベルの品質。次回作から日本製になるのでこの点は改善されてそうだけど。

どんな人におすすめ出来るかと聞かれたら、イーブン寄りのヘッドヘビーを探している全ての人にお勧め出来る。アストロクス88Sだとソリッド感が強過ぎて少し持ち重りするなーと感じている人や、アークセイバー11だとボヨンボヨンして弾きが足りないなぁと思ってる人に是非使って欲しい。シャフトも硬すぎないし、バランスにクセも無いから敷居は高くない。

3Uと4Uをどう選べばいいかは悩むところ。両方使っている自分としては、スマッシュなんかで物凄く差が出るわけではないかも。後衛多めの人は3Uの方が楽。ヨネックスで4Uを使っていれば同じ4Uで良いかもしれない。おっ、軽いなって思えるし。

8 COMMENTS

かずぽん

いつも参考にさせて頂いてます!
バド僕さん視点でのアストロクス99のレビューを聞かせて欲しいのでまたよろしくお願い致します!

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ボク

ご参考下さりありがとうございます。アストロクス99ですか〜。もう少し使ってみないとなんとも言えませんが、感じが掴めたらレビューしてみますね。

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がんばります

失礼します。初心者です。
先輩に勧められフォルティウスコンプFを検討しており、検索して訪問させてもらいました。
「5本に大きな軸ブレが生じていた。」とありますが、軸ブレとは具体的にどのようなもので購入時に分かるものでしょうか?
他にも購入時に注意すべき点があれば教えて頂けると嬉しいです。
お時間があるときにでも、レスをよろしくお願い致しますm(._.)m

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ボク

コメントありがとうございます。最近ウェブサイトをチェックしておらず申し訳ございません。判断としては、シャフトを軸に高速でラケットと回転させるとよくわかります。軸ブレの無いラケットはシャフトがブレずに綺麗に回ります。正直なところ軸ブレは実際の使用感には大きく影響するわけではないので、あまり気にしなくても良いかと思われます。

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Puppy

レビュー、いつも参考にさせていただいています。
個人的な印象を教えていただければと思うのですが、フォルティウスツアーに現状1番近いラケットってどれだとお考えでしょうか。
ツアーも手元の本数が減ってきて、そろそろモデル変えようかなぁ、と思っていますが、どれにするべきか悩み中です。
取り急ぎ11QUICKの試打借りましたが、スイングした感じややヘッド重すぎるかな、と、、、、、、
ご意見お聞かせいただけると嬉しいです!

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ボク

コメントが遅くなって申し訳ございません。11Qは自分も使っていますが、ツアーと比べると完全に別物ですね…。ツアーに近いラケットは自分も結構探しましたが細シャフトが主流になってきている現在未だに見つけておりません。ツアーと比べて遠くはありませんが、自分はアークセイバー11プロ(3U)を使っています。イーブン寄りでも問題なければウィルソンのブレイズ8800JCVなんかもいい感じです。ただ若干微震動が気になりますが。その他ですとリーニンの3Dキャリバー900Bも悪くない選択肢です。シャフトは硬すぎず弾きも十分で違和感なく使えるのではないかと思われます。

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Puppy

ご返信ありがとうございます。
大変参考になります、、、!
アーク11(proじゃない初期機)は以前使っていましたが、弾きの厚さとくわえ感が足りない感じはしていましたね、、、11proはまだ触ったことないので試してみます。
ブレイズ8800は試打してみましたが微妙にイメージと違って、、、、、

色々試打した結果、
ヘッドヘビー寄りのラケットではピンと来るもの(ツアーみたいな弾き感+バランスの割にヘッドの重さが負担にならないスイングウェイト感)が無く、
目先は
・後ろから打ち込む場面が多い場合はフォルティウスツアー
・前で捌く場面が多い場合はナノフレア800(4U)
(後ろで全身使って打ち込む分には威力不足ですが、手首でシャフトを曲げるイメージで振るとバチン!とコースの精度高く打てる、且つ取り回しが良い)
という感じで使い分けることにしましたが、
11proと3Dキャリバー900B触ってみます!

ボク

ナノフレア800も良ラケットです。ツアーよりも好みなラケットが見つかりましたが、現状普通には入手出来ないので紹介しても意味がないのですね…。日本や中国だと4Uしか販売されていませんが、ビクターのTK-FC(黒金)も悪くないラケットです。ラケットはほんと好みなので、お気に入りの一本が見つかることを祈っています。

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