2018年11月に発売されたゴーセン新シリーズグラビタス (GRAVITAS)。初めて?の海外契約選手を起用して商品を展開させています。
「芯を食らう」というキャッチフレーズで、インパクト後のシャトル挙動に注目して開発されたラケットとのことです。
2019年5月時点では、8.0SX, 7.0SR, 6.0LAの3モデルがリリースされています。9月に9.0SX CLが発売されました。
今日はヘビーヒッターモデルの8.0SXをレビューしていきます。コンパクトフレームで、ややヘッドヘビーの4Uという点に惹かれて購入へ踏み切りました。
因みにインフェルノは「弾き」重視、グラビタスは「粘り」寄りの設計。
公式スペック&テクノロジー
スペックを見る限りだと、フェイス面が約52インチ弱と小さめで、やや厚めのフレーム厚だなと言った印象。因みにコンパクトフレームは、8.0SX, 7.0SRの2モデル。9.0SXと6.0は通常サイズ。
推奨テンションも28ポンドまでと、ヘビーヒッターモデルだけあって十分。
実売15000円以下のモデルでビクターのフラッグシップモデルに使われているカーボン素材パイロフィルを使ってるラケットはなかなか見つからない。ここらへんもコスパが高いなと感じます。
今まで上級モデルは台湾産だったゴーセンのラケットが今回から生産地が中国へ切り替わってるので、この実売価格はそんなコスト調整も関係しているかもしれない。
グラビタスにはゴーセンの考える新しいテクノロジーが搭載されています。
Impact Zone Design
スイートスポットでシャトルを叩いた時にシャトル部とフェザー部がどうラケット面に当たるか分析して、フレームの重心を最適な位置に設定しているとのこと。フレームの重心は打球感にかなり関係してくるから大切なポイント。
Concept – Ryoga
スイングパターンを検証して開発されたシャフト設計
スイングパターンに応じるフレックスとトルクセッティングを精密に行うことで、
インパクト時におけるシャフトの反発パフォーマンスを最大限に発揮させる。
他のメーカーももちろんスイングパターンを研究して開発してるけど、モデル毎に分けているのは新しいアプローチだと思う。個人的にはこういう観点からラケットを選ぶのが本来正しい姿だと思うんだよね。ただ柔らかいから初心者に向いてるとか、硬いのが上級者向けとか、そういう表面的なことじゃなくて。
Assault Dive System
打った時の衝撃を軽減させるテクノロジー。きちんとユーザーの意見や、過去のモデルから学んでいるなーといった印象を受ける。
実測スペック
ゴーセンは親切にも凄く細かくスペックを掲載してるから、実測してもあまり意味がないかもしれないけど一応の為に。
定番のウェットグリップ (AC108)+VBS-66N (Victor) に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。
重量 | 82.8グラム |
バランスポイント | 約317mm |
シャフト経 | 6.8mm前後 |
フレーム厚 (12時) | 11.51mm |
フレーム厚(3時) | 11.27mm |
バランスポイントはグリップエンドから測定しています。数字が大きければ大きい程ヘッドヘビーになります。
スウィングウェイトはプロショップユゲさん を参考に。
重量
約83.0グラム(グリップ+ガット込み)。きっちり公称値通りの数字。品質管理がしっかりしている証拠。ヨネックスで言えば4U相当。余談だけど、僕の使ってるZスピード(3U)は同じ条件で約92グラム。
シャフトの太さ
公称値が6.7mm, 実測で6.8mm程度。塗装の厚み分スペックより僅かに太い。どこのメーカーでも1番多くみられるシャフト経。
フレーム&ラケット面
厚めのフレームで、ナノレイZスピードと瓜二つ。ほんの僅かにZスピの方が薄くて、ラケット面から見たフレームの厚さはZスピの方が少しだけ厚め。
コンセプトもZスピードに似てるような。最速のスマッシュを実現する為に、スイングを研究して、いかにパワーロスを抑えるか考え抜いたフレーム設計。
ラケット面の大きさもほぼZスピと同じコンパクトフレーム。フレームの溝の入り方もZスピとほぼ同じ。
近い系統のフォルティウスツアーVとZスピを並べてみました。ラケット面はツアーVが他と比べて若干大きめ。
塗装
非常に綺麗な塗装。グレー系にゴールドの差し色。デザインは機械チックなパターンでモビルスーツを彷彿をさせる。ブラックが合うと思うけど、ナノジー98のシルバーグレーなんかを合わせてもかっこいいかも。
実打レビュー
ガットは毎度お馴染みのVictorのVBS-66Nを26ポンドで張ってます。M-SMOOTH 67S, ナノジー98なんかに似ているガットです。
若干語弊が有ることを承知で言えば、「軽いZスピード」。
シャフトはしっかり硬いので腕全体を使って打ってる人とか、インパクト時に握り込む力が強くない人が使ったら飛ばしにくく感じるかもしれない。ここらへんはZスピの木刀感に似ている。
だけど、そこそこスイングスピードを出せて握り込める人が使えば、打ってて凄く気持ちいい。打ちごたえのある打球感で、バチーンと球が伸びていきます。パイロフィルの恩恵かな。軽いし、イーブンよりのヘッドヘビーなのでZスピほど難易度は高くない。
振り抜き
振り抜きを語るタイプのラケットではないけど、ボックスフレームの弱点である振り抜きはフレームを小さくする事である程度解消出来る。グラビタス8.0はZシリーズ並みのコンパクトフレームだから、振り抜きはかなり良い。Zスピに似た振り抜き感だけど、4Uで軽いからZスピより少ない力でスイングスピードの初速が上がるように感じる。
パワー&トルク
上から打つ球はラケット面の正面で捉えられれば、打ってて凄く気持ちがいい。ガッチリしたフレームと硬めのシャフトでラケット全体でシャトルを押し出していく感じ。パワーロスが少なくて、力がシャトルに伝わりやすい。
スマッシュのスピードは悪くないって感じだけど、面が安定しているから精度が高いスマッシュが打てる。球がシャトルに当たった時にグッと一瞬ホールドする感じが好き。パイロフィルのおかげかな。だけど、ツアーVと比べると爆発力は劣る。ツアーVの方が確実に球の伸びはいい。
ドライブも全然問題ないけど、やっぱりフレームの大きさが小さいから普段使ってるオーラスピード90Sとかアストロクス88Sより少し気を使ってしまう。弾きはZスピよりいいと感じるけど、コンパクトなスイングで飛ばすには少し慣れがいるかもしれない。
コントロール
厚めのボックスフレーム+硬めのシャフトだから安定したフォームで打てる人だったら精度の高い球が打てるかと。クリアもスマッシュと同じでスイングスピードがある程度上げられる人だったら苦も無くバック側のラインまで飛ばせるんじゃないかな。
カット系に関しては、フレームが小さい+シャフトが硬いから個人的には少し打ちづらく感じた。普段からZシリーズを使ってる人だったら気にならないかと。
4Uで軽い事と、コンパクトフレーム+イーブン寄りのマイルドなヘッドヘビーなので操作性は結構いい感じ。ネット周りもZスピより手が早く出せる。
管理人の一言
どういう人にお勧めかと聞かれるとなかなか悩むところ。Zスピは好きだけど、もう少し軽くて操作性がいいラケットが欲しい人には間違いなくオススメ出来る。Zスピより難易度は低いから。だけど、やや筋力多めの男子+シングルメインならナノレイZスピードでいいかなって感じ。ゴーセンもラインナップを作る時にいろいろ悩んだのかもしれない。4Uのコンパクトフレームってあんまり見当たらないし。
ライバルはスラスターTK-FC(コンパクトフレームの方), TK-BXR, ナノレイZスピード, フォルティウスツアーV辺りかな。TK-F Clawは使った事ないんだけどTK-F的に言えばバランス的には近いけど8.0SXの方が硬めの打球感かと。ツアーVほどヘッドヘビーじゃないしクセも無い、TK-BXRより少し粘りがある打球感と言った塩梅。
後は価格の面から言えば、コスパは高め。冒頭でもチラッと書いたけど、三菱のパイロフィルを全体に使用+この塗装と品質クオリティーで実売価格が15000円を切ってるラケットってそうない気がする。
僕はメンズのダブルスメインで使ってます。コンパクトフレームと厚めのボックスフレーム特有の気持ちのいい打球感で、操作性もいい。だけどフレームが小さくて軽いからガチで打たないとき用で。それと塗装がガンダムっぽくて好きな人は好きかもしれない。ゴーセンの品質管理は安心出来ます。
はじめまして!
バドをコツコツと20年近くやっている(わりにそれほど上手くない)30代の者です(^^)
気に入ったラケットがあると、ずっと同じものを使ってしまうタイプでして、久しぶりにラケットを換えようかなーと思い、色々とレビューを見ているうちにこちらへ辿り着きました。
どれもとても細かく研究されていて感動しました!
まだまだレビューされているラケットは多くないですが、とても参考になります(>_<)
特に情報の少ない、ミズノやゴーセンのレビューをしていただけるのはとても嬉しいです(今検討中のメーカーなので…)
ぜひぜひこれからも更新の方頑張って下さい!
グラビタス9.0とフォルティウス10のレビューお待ちしています(笑)
コメントありがとうございます。仕事とは別に時間がある時にコツコツ書いております。9.0と10クイックはタスクには入れてあるのですが…。折を見てアップさせていただきますね。