【Victor / ビクター】スラスターK BXR (TK-BXR) 実打レビュー

最近次々と数字ではなく固有名詞のモデルを発表しているビクター。2018年に発売されたスラスターK-BXRもその一つ。

BXR=ボクサーという名前の通り、ボクシングのイメージがぴったり来るモデル。ヘビースマッシャー向けのスラスターKシリーズでもわりと異色の部類に入るBXRをレビューしていきます。

公式スペック&テクノロジー

先ずは最大テンションから。やはり日本のカタログだと最高が4Uで27ポンド、台湾だと同じ4Uでも31ポンドまでと表記されています。推奨テンションと最大テンションと言った表記の違いなのかなーと。基本的にビクターのフラッグシップモデルへ30ポンドは余裕で張れます。

TK BXR スペック2

バランスポイントはかなりのヘッドヘビー寄りと表記してますが、実際はほぼイーブンです。

打球感はかなりのStiff(硬め)より。スラスターシリーズにしては珍しい硬めの打球感。

TK BXR 8

残念ながらTK-BXRは中国生産。つまりは、上級者向けモデルではあるけど、台湾産の最高峰モデルという扱いではない模様。

スラスターK-BXRに搭載されている主要なテクノロジーを幾つか紹介します。

POWER BOX, HARD CORED TECHNOLOGY, ULTRA-THIN FRAME

TK BXR テクノロジー2
TK BXR テクノロジー1

こだわってますよ感を醸し出すビクターのテクノロジー。端的に言えば、強度を高めた薄めのボックスフレーム。

WES (Wipping Enhance System)

TK BXR テクノロジー3

シャフトの硬さを調整することによって、ラケットを振る時に鞭を打つような感じがある。しなりから素早い戻りと鋭いアタック角度によって、狙い通りのコントロールが出来る。
フレームとシャフトの重点位置にインフレクションポイントを設置し、鋭いアタック角度を保ち、優れた反発性を持つ。

オーラスピード90Sにも搭載されているテクノロジー。シャフトやフレームをセクション分けして、硬さを調節することによってシャフトからフレームとラケット全体をムチのようにしならせる事を可能に。反発性と安定性を向上。

HYBRID CN

TK BXR テクノロジー4

今の所TK-BXRのみに搭載されているテクノロジー。人によっては何故いまだにグリップはウッドを使っているか?なんて思う人も多いと思う。確かにWilsonなんかはカーボングリップを導入しているけど、やはりウッドの衝撃吸収性やグリップ感はカーボングリップより優れているのが現状。

そこで、ビクターは発泡素材とウッドの芯の表面と内側にカーボンテープを張った複合グリップを開発。利点はウッドの良さを残しつつ、弱点であった形質変化、特に汗や水に濡れた際の変化を抑えている。良いとこ取り。個人的な最大の利点は、元グリップが非常に剥がしやすいという一点に尽きる。

実測スペック

管理人が使用している4U5を計測してみました。

定番のウェットグリップ (AC108)+BG80に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。

重量 82.1グラム
バランスポイント 約313mm
シャフト経 6.8mm前後
フレーム厚 (12時) 10.4mm
フレーム厚(3時) 9.9mm

バランスポイントはグリップエンドから測定しています。

スウィングウェイトはプロショップユゲさん を参考に。

重量

重量は約82グラム。一般的な4Uの重量。

TK BXR 9

シャフトの太さ

6.6mmのシャフトを採用。この若干の太さも硬めの打球感に寄与しているのかと。TKオニギリや、TK-Falconなどはもっと細い6.4mmを採用。

TK BXR 3

フレーム&ラケット面

外見から見る限りはオーソドックスなボックスフレーム。フレーム周りの溝もオーソドックス。外見的な特徴を強いて言えばフレームトップの内側に細い溝がある。アストロクス88Sに比べて若干薄めのフレーム。
TK BXR 6TK BXR 4

塗装

ブラックベースに赤とダークグリーンの差し色。恐らくボクシンググローブをイメージしてカラーを選択したのかと。レッドとダークグリーンって選択が渋い。僕は黒いガットを張ってるけど、赤だとまた印象が違ってかっこいいかもしれない。

TK BXR 2

実打レビュー

ガットはBG80を26ポンドで張っています。いつも使っているVBS-66Nとは若干異なるので、それを加味してレビューしていきます。

振り抜き

振り抜きが良いのか?と聞かれると悪くない。振り抜きが悪い?と聞かれるとやっぱり悪くない。TK-BXR振り抜きに関しては中庸といった感じ。

ヘッドヘビーではないから、この観点から言えばアークセイバー11やアストロクス88S, 77なんかと比べたら振り抜きは○。正統派のボックスフレームの中では振り抜きは良い方。

パワー&トルク

スマッシュとクリアを打った時にあんまりスラスターシリーズらしくないと感じた。弾きはそこそこで、バランスがイーブンなことに加えて、シャフトやフレームが硬めなので、オニギリやファルコンみたいに簡単には飛ばせない。硬め+やや軽めの打球感で、若干スイングスピードを上げる必要がある。

スマッシュに関して言えば、全力で打つジャンプスマッシュなんかは他のスラスターシリーズに比べて速度が伸びない。だけど、ある程度スイングスピードを上げられればほんのりとWES(ムチみたいに打てるシステム)の恩恵を感じる事が出来る。この軽さと程よい振り抜きの良さで、精度のいい球を打つ事に向いているなと。ここがボクサーと命名した由縁でしょう。ジャブをバシバシ打つ感じ。

バランス調整ウェイトなんかをヘッド近くにいくらか張って調整したらまた違う打球感になるのかもしれない。

ドライブ。固くてそこそこ弾くから悪くはない。ただし、球持ち感が薄く、球離れが早いからドライブを打ってて体制が少し崩れた時に力が入りにくい。ただし、ここは好みだからナノレイ900なんかを使ってる人はそこまで違和感はないかもしれない。

コントロール

BG80との組み合わせだと、カットを気持ち良く打てない。これも球持ちが良くない事とガットの硬さが原因かと。個人的にはVBS-66Nかナノジー98なんかが向いているのかなと。

ネット前。ラケットの感度は悪くないからシャトルを感じて打てるけど、ガットからすぐにシャトルが離れてしまうのでアーク系が好きな人にはコントロールし難いかもしれない

この硬さとボックスフレーム特有な面の安定性から上から打つ球の精度は高めです。

管理人の一言

作成者の意図は汲めるラケット。ボクサーのように素早く、ジャブを連発していくようなラケット。ある程度ボックスフレーム特有の打球感を残しつつ、軽量化で手数を打てるようにしている。重いスマッシュ一発で決めるようなラケットではないなと。

厳しい感想を言えば、スペックと打球感が微妙な味付けであえてTK-BXRをメインで使うかと聞かれると使わないと答えざる得ない。速度重視であればオーラスピード90Sやナノレイ800の方が速いし、パワーを求めるのであればアストロクス77, 88S, フォルティウスツアーの方が断然速いスマッシュが打てる。

それと、この球持ち感が薄いのが惜しい。アストロクス88Sの4U, フォルティウスツアーの4Uなんかに比べるとバランスの問題もあるけど、粘りがなくカツッと言った感じでシャトルが飛んでいく。逆に言えばこの硬さとある程度の面の安定性でコントロール性能は高め。

どういう場面で生きるラケットかなと考えてみたところ、個人的な結論としてはダブルスの前衛に向いているかな。4Uの軽さとそこそこの振り抜き、だけどソード系フレームよりがっしりした球が打てる。硬さ故にブレも少ないから、ネット前というよりクロス待ちのように、相手の球をコート中盤でカットするのが得意なプレーヤーに向いているかもしれない。

因みに5Uは使った事がないけど、レビューサイトを見ていると4Uより柔らかく設計してあるとの事。5Uのスイングウェイトはヘッドライトの様子。

最後に、TK-BXRはスペックや打球感がどうこうよりも、このカーボン&ウッドの複合グリップが秀逸。もっと広まればいいなと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です