ラケットのデータベースを公開中(2024/06/23 更新)

【ミズノ】キャリバーVSツアー 実打レビュー

2015年に早川賢一さん監修でリリースされたキャリバーVSツアー。中国でもマニアックなファンがいるラケットです。

VF, VA, VSと展開されていましたが、このVSツアーは「ドライブ重視の攻撃型モデル」というフレーズ通りダブルス向けのスペックです。

僕はこのラケット辺りからミズノのバドミントンラケットに対する印象が良くなりました。

公式スペック&テクノロジー

VF, VA, VSと展開されていましたが、このVSツアーは「ドライブ重視の攻撃型モデル」というフレーズ通りダブルス向けのスペックです。

この頃のキャリバーは潔く選択肢の無いワンモデル。4U5のみの展開。

キャリバーVSツアー スペック5

推奨張力27ポンドなので30ポンドまでは問題ないかと。この頃のモデルにしては珍しい高テンション対応。ラケットバランスは上記表を参照。分かりにくいけど、スペック上はイーブン硬めと言った感じ。

ミズノ独自のテクノロジーが採用されていますが、その中でも面白いなと思った2つを紹介します。

V レイピアシャフト

キャリバーVSツアー スペック3

いわゆるテーパーシャフトで、ゴーセンのリョウガシリーズなんかに採用されていた技術。最も細い部分で6.4mmと2015年でここまで細いシャフトを採用していたラケットはほとんどなかったんじゃないかな。

クロス フレキシブル フレーム

キャリバーVSツアー スペック4

フレームの重量と強度を調整して先端が曲がるように設計。これに近い考え方がアストロクス88Dに採用されていて、いわゆるキックポイントが上部に設計されている。インパクト時にシャトルを抑え込む=ぐっと押し込む感じの打球感を実現させている。

実測スペック

所有している2本の内一本を計測してみました。ウェットグリップ (AC108)+VBS-66N (Victor) に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。

重量(4U5) 84.8グラム
バランスポイント 約314mm
シャフト経 7.3〜7mm前後
フレーム厚 (12時) 8.8mm
フレーム厚(3時) 9.4mm

バランスポイントはグリップエンドから測定しています。

スウィングウェイトは古いモデル故に見つけられませんでした。トップライト、イーブンという説明を多く見ますが実際は、ややトップヘビー寄りのイーブンといった感じです。

重量

平均的な4Uと言った感じ。2本手元にあったんだけど、重量を量るの忘れていました。

シャフトの太さ

本当に6.4mmなのかな?上から下まで図ってみたけど、1番細いところでも6.97mm程度。塗装が厚いせい?

フレーム&ラケット面

今どき珍しい本当にボックス=箱フレーム。正方形に近いフレーム形状。

キャリバーVSツアー レビュー 7キャリバーVSツアー レビュー 8

塗装

このキャリバーシリーズが赤青黄。信号かっと突っ込みたくなるカラー構成。それぞれラケットの特徴に合わせて配色したんだろうけど。VSはマットのチャコールグレーに、黄色と僅かに緑の差し色が入っている。ミズノらしい独特のデザインで結構かっこいい。

キャリバーVSツアー レビュー 1キャリバーVSツアー レビュー 3

早川さんの限定モデルは目がくらむブルーで、青好きにはたまらない配色。

キャリバーVSツアー スペック2

非常に残念なグリップエンド。ハイエンドモデルにこれはないよなー。フォルティウスからまともになりました。

キャリバーVSツアー レビュー 4

実打レビュー

ガットはお馴染みVictorのVBS-66Nを26ポンドで。

いつも通り結論から言うと、「コートの真ん中が強いラケット」

パワー&トルク

イーブンだけどややヘッドヘビーよりで、他のレビューで言っているほどスマッシュは悪くない。ミズノのラケット全般に言えるけど、フレームはがっしりしてるから上から打つ球の安定感は上々。

コート真ん中少し後ろ辺りから飛びつく感じの球や、プッシュなんかは安定して打ち込める感じ。ただし、バックライン付近から打つとカスっと言った感じで、スピードが出にくいのもまた事実。しかも若干手に振動が残る感覚が気になる。

ドライブ。弾きがいいし、面が安定しているから4Uにしては重めの球で返せる。パリッとしてて感度もフォルティウスツアーよりやや高めなので、狙った場所にねじ込みやすい。

レシーブ。シャフトも硬すぎないから、軽く返せます。かなり優秀。

コントロール

クリア。弾きもいいし、程よくラケットヘッドの重さを感じるおかげで、そこまで飛ばしにくい印象は無い。0.66mm以下のガットを使っていれば問題はないかなと。だけど、同じ4U5ならフォルティウス10クイックの方が飛ばしやすい。

カット&ドロップ。感度がやや高めなおかげで、シャトルを感じながら打てる。
ネット前は、そんなに好印象ではない。振り抜きがあんまり良くないから早く手を出せる感じはしない。

振り抜き

分厚いフレームとジョイントのせいで実はそんなに振り抜きが良くない。フォルティウスツアーの方が全然振り抜きがいい。

振り抜きを重視したモデルではないから、そこまで振り抜きに期待はしていない。ただ、4Uという軽さとヘッドヘビーよりのイーブンバランスと言った設定も相まって取り回しは悪くない。

管理人の一言

スマッシュは強くないけど、ドライブキングと別名が付いているナノレイ800ほど振り抜きが良いわけでもない。だけど、確かに分厚いボックスフレームのおかげで打球は安定しているし、物理的にも軽いから取り回しは落第点とも言えない。

辛口の意見を言えば取り回しとドライブの安定性&押出しの強さを求めた結果なんだろうけど、スマッシュも速くないし、かといって振り抜きがいいわけでもない。中途半端感は否めないかもしれない。少し手に響く感じも好きではない。

スペックが近いラケットのフォルティウス10クイックはこういうラケットを礎として作られただけあって完成度は高いと思う。4Uヘッドヘビーで、ドライブ&上からの球を重視したいなら10クイックがいいかな。もう少し振り抜きが良くてバランスがいいラケットが欲しいならフォルティウスツアー。

早川さんとの共同開発でミズノの方向性がはっきりしてきたラケットという意味では重要な一本だと思います。

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