2019年9月末頃に韓国のバドミントン愛好者の為に発売されたナノフレアX7。ナノフレア700がベースになっており、外観だけでなく、設計も特別仕様です。
手に入れる機会があったのでレビューして行きます。
公式スペック&テクノロジー
基本スペックはナノフレア700ベースですが、ストリングテンションとシャフトのフレックスが若干異るようで。
ガットはMax25ポンドまでと割と低くめのテンション。シャフトのフレックスはエクストラハイフレックスとかなり柔らかめとの表記。実際にはそこまで柔らかくないような。
ラケット規格は4U5のみ。ヘッドライトと記載があるけど、実際にはヘッドライドじゃないと思う。
韓国のヨネックス公式ホームページでは男女共に中・上級者推奨で、価格はナノフレア700より若干抑えられてる模様。
テクノロジーはナノフレア700とほとんど同じで、「真エアロ形状」「ソニックフレアシステム」を採用。700と異なるポイントは、フレームにバイブスレイヤーカーボンを採用している事でしょうか。
フレーム下部に700と同じくトレカM40Xカーボンが使われているみたいですが、公式の説明では同じくフレーム下部にバイブスレイヤーカーボンが使われているとの事。どういう風に混合して使われてるんだろう。うーむ。
実測スペック
自分が使ってる4U5を計測してみました。元グリップは無しで、ストロンググリップ+BG66(無印)に、ヨネックスのアンダーラップを二周巻いてます。
重量(4U5) | 83.8グラム |
バランスポイント | 約314mm |
シャフト経 | 7mm前後 |
フレーム厚 (12時) | 約12.30mm |
フレーム厚(3時) | 約12.60mm |
重量
自分が過去に所有していた3本のナノフレア700(全て4U)は全て86グラム超えで、物によっては3Uに近い重量も。だけど、このX7は83グラムと4U規格の重さ。
シャフトの太さ
ナノフレア700と同じくスーパースリムシャフト。
フレーム&ラケット面
フレームの設計はほとんど700と同じ。計測後の厚みも700と変わらない感じ。グロメット、溝の入り方も同じ。
塗装
700のマット塗装とは違い艶あり。普通の白じゃなくて、パールホワイト。よく見るとキラキラしてる。トリコロールカラーで、普通にかっこいい。ちなみにこのラケットカラー&デザインは韓国旗がベースです。
実打レビュー
ガットはBG66(無印)を26ポンドで張りました。レビューを書いている時に一回切れて今はトアルソンのION65に張替えてます。
X7がどんなラケットか結論から言うと「粘りのあるナノフレア700」って感じでしょうか。700より若干柔らかい打球感に仕上がってます。
振り抜き
700と大きくは変わらない。バランスは個体によるのかもしれないけど、自分の引いたラケットは結構ヘッド寄り。所謂尖ったスピード系というよりは、より大勢のユーザーが使いやすいと感じるような設計だと思うから振り抜き重視というわけではないかと。
パワー&トルク
自分の購入した個体は結構ヘッドヘビー寄りなバランスで、変にヘッドが軽くないから上からの球も総じて打ちやすかった。
700と比べると球持ちがよく粘ってくれる。700と同じくそこまでスマッシュは伸びないけど、スイングスピードが速くない人でもコントロールが付けやすい印象。ただ、ボルトリックグランツみたいな柔らかさではない。
ドライブもそこそこ打ちやすい。粘りが増した分わずかに700より弾きが犠牲になった気がする。犠牲になったと言っても、700特有の弾きは顕在。感覚的にはデュオラ7に少し近い気がする。
コントロール
クリア。過去のナノレイシリーズと比べると、やっぱり進化してるなーと感じるポイント。よく飛びます。粘る感じ+ヘッドの重みがあるおかげで、ラケットの力を使ってシャトルを遠くまで飛ばせる。
レシーブは凄く打ちやすい。ソフトなフィーリングで球持ちがいいからコントロールが付けやすい。
カット系もナノレイ800や900より個人的打ちやすい。ここらへんは好みや慣れがあるけど、グッとシャトルを押す感覚があってコントロールが付けやすいなと感じた。
管理人の一言
個人的に700はヨネックスの中でもベストバランスと言えるラケットだと思うけど、X7は700ベースを韓国ユーザー向けに柔らかくチューンしたラケット。
具体的に言うと700のパリッとした感覚が僅かに薄くなって、ソリッド感が少し増して粘りが強くなった感じ。ただ、ほんとに僅かな違いなので悪しからず。アークセイバー7とか、デュオラ7なんかが好きな人にフィットする打球感。
今回700と打ち比べてみて、ヨネックスがオールラウンド系ラケットを作るとこうなるのかと再認識させられました。700もそうだけど、大きな欠点は見当たらず、かつ飛ばしやすいラケットだからほんと誰にでもオススメ出来る。
韓国でのみの販売だから、行く機会があればお土産なんかに買って来てもいいかもしれない。