【ヨネックス】ボルトリックグランツ 実打レビュー

Twitterのありがたいコメントを元に購入してみたボルトリックグランツ。想像を超えた良ラケットで、2本所有しています。シニアだけには勿体ないボルトリックグランツをレビューしてみます。

有名選手の使用者は、韓国インターナショナルチームがヨネックスへスポンサーを変更した際にソン・ワンホ選手が使っていたくらいでしょうか。

公式スペック&テクノロジー

このスペックで上級者向けというのはなかなか興味深い。4Uのみの展開で、ガットも推奨22ポンドまでとかなり低め。

VOLTRIC GlanZ review spec2

打球感は硬めよりのほぼ普通。バランスはヘッドヘビーと言ってもいいでしょう。マトリックスを見るとアストロクス88S, 77に近い。

VOLTRIC GlanZ review spec1

ラケット自体のコンセプトは次のようになっています。

特に競技経験に富んだアクティブシニア層特有のプレースタイルを分析しました。

○相手に打たせてチャンスを作りだす為に高く大きなレシーブで相手を左右に揺さぶる傾向にヨネックスは注目。スウィングのパワーをー気に上げ、掬い上げる力を高められるように、しなやかさと復元性を兼ね備えた素材を採用。強く捻じれて素早く復元する素材と設計で大きな力を生み出します。

○スウィング軌道が長くなる方が多いため、遠心力を増幅させる設計を取り入れて力強いショットを実現しました。

次元の高い素材、理論、技術を余すことなく採用し、扱いやすく大きく飛ばせるだけでなく、ショットの力強さや打ち応えを求める方々にもご満足いただけるバドミントンラケットとしました。

特に気になったテクノロジーは無し。知りたい方は公式ホームページをご参照下さい。

実測スペック

現在台湾向けモデル(TW)を2本所有しています。品質管理は流石ヨネックスと言ったところ。

ウェットグリップ (AC108)+VBS-66N (Victor) or ナノジー98に、Yonexアンダーラップを2周巻いてます。自分が使用しているラケットは全て元グリップを剥がしています。

バランスポイントはグリップエンドからの測定になります。

グリップ長は約205mm。

スウィングウェイトはプロショップユゲさんをご参考下さい。

重量(4U) 約86.0グラム
バランスポイント 約316mm
シャフト経 6.58mm前後
フレーム厚 (12時) 11.9mm
フレーム厚(3時) 10.2mm

重量

実計測で86グラムジャスト。一般的な4Uの範囲内。

VOLTRIC GlanZ review 4

シャフト径

エクストラスリムシャフト。ヨネックスにしてはかなり細めの6.6mmを採用。トルクのある細いシャフトも独特の打球感を生み出している要因の一つ。

VOLTRIC GlanZ review 8

フレーム周り

ヨネックスの技術を集結させたフレーム設計。フレーム上部とジョイント付近は厚く、その他は薄くなっている特殊なボックスフレーム。フレームに当時の新素材レクシルファイバーを使用。フレーム上部と下部で細さをわざと変えて、フレームのねじりを増幅させてよりスイングスピードを上げるという設計。

更にフレームはエアロボックス形状+グロメットの溝は一番下まで入っていて空気抵抗削減に寄与しているかと。個人的には見た目が引き締まってかっこいい。

2016年当時既にこういうラケットを作ってたという点からしてもヨネックスの技術の高さは他のメーカーとは数歩先を言ってるなーと思わせる。

VOLTRIC GlanZ review 6

VOLTRIC GlanZ review 1

塗装

ZF2リンダンモデルを彷彿とさせるカラーリング。ただのブラックではなくて、パープルに近いブラックで徐々にブラックへとトーンを移している。個人的には初代ZFもかなりカッコよかったけど、グランツもかなり上位に入るデザイン。

VOLTRIC GlanZ review 7

実打レビュー

気に入っていたのでなんだかんだで2年近く使用しています。現在はナノジー98を26ポンドで張ってます。一応推奨テンションを4ポンドくらいオーバーしているので真似される方はご注意を。

ボルトリックグランツを一言で表現すると「パワーアシストラケット」。少ない力で軽々シャトルを飛ばすことができる。硬くもなく、柔らかすぎでもなく、ちゃんとシャトルを感じる事が出来る感度。ヘッドヘビーのおかげで自動的にスマッシュが早くなる面白いラケット。

ヨネックスでも随一を争うくらい所謂 “使いやすい“ ラケットかと。

パワー&トルク

ヘッドはそれなりに重く、しなやかなシャフトと相まって少ない力で速いスマッシュが打てる。シャフトが細くて柔らかめだから少しブレる感じがあるかなと思ってたけど、そこは流石ヨネックス。思ったよりブレが少なく、綺麗振り抜ける。

スマッシュをガンガン打つ人には少し物足りなく感じるかもしれない。スイングスピードが速い人にとってはシャフトの柔らかさのせいでパワー伝達に時差があるから全てのパワーをヘッドに伝えにくい。

体勢が悪い時にこのラケットの恩恵を受けられるなと実感。奥まで攻め込まれた時のバックハンドや、後ろに飛び付いて打つクリアなんかも他のラケットより飛ぶから体勢を立て直しやすい。

コントロール

グランツの十八番がコントロール。クリアは異常に飛ぶ。前述したようにブレ感も強くないからクリアのコントロールもそこそこ付けやすい。

玉持ちはかなりいい方。感度が失われておらず、ヘッドヘビーだからヘッドを感じながらコントロールを付けやすい。

スマッシュでガンガンっていうラケットじゃなくてクリア&ドロップでゲームを作っていく為に設計されたラケットって言えるかも。

それとスマッシュレシーブ苦手な人に使って欲しい。簡単にバックラインまで返せる。

振り抜き

振り抜きに関してはそこまで考慮に入れてないんじゃないかな。シャフトが細いおかげでそこまでダルさは感じない。だけど、フレームも厚いし、そこそこヘッドも重いから振り抜きには期待できない。そもそもこのラケットを検討している人は「振り抜きの良さ」は購入する要素に入れてないと思うけど。

管理人の一言

しなるシャフト、弾くフレーム、ややヘッドに重みを感じる操作性、4Uと言った要素はもちろんのこと、ヨネックスの味付けは隙がない。高い技術があるから目指したコンセプトを高い次元で実現しているように感じます。

アクティブシニアの特徴を分析してデザインしたという事だけど、アクティブシニアってまー所謂一般的なバドミントン愛好者と置き換える事が出来るじゃないかと。

ヨネックスが本気でアマチュアの為に設計したラケットって言えるかもしれない。

誰が使っても嫌な感じはしないし、自分の力プラスアルファでシャトルスピートを上げてくれる。クリアも飛ぶし、スマッシュもしなりに慣れれば少ない力で速度が出せる。ドライブもグイっと押し込めて、何よりレシーブの操作性はピカイチ。

基礎を脱却しかけの初級者から上級シニアまでお勧め出来る優良ラケット。シングルスでもかなり使えると思うし、ダブルスでもノープロブレム。特に、ドロップ&クリアー系ディフェンスメインのプレイヤーには重宝するんじゃないかと。

ただし、ヨネックスの上級モデルに比べると柔らか目で球持ちがいいから、スピード重視の若者や、ドライブメインのスタイルには向かないかも。

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1 COMMENT

アバター とある中学生三年(引退しても後輩と打つ人)

2023年7月16日から使い始めました
前のメインラケットはナノフレア800と1000z(1000zは最近出たばっかなのでメインとは言えないかも)
シャフトは固めでトップライトを使い続けた僕でも案外早く慣れました
上記にもある通りボルテリックグランツはアストロクス77と88sにとても近いですアストロクス77はヘッドヘビーラケットを使ってみたいって人にオススメするラケットなのでそれに近いボルテリックグランツは同じくオススメできます☺️
使ってみた感想は最初はヘッドヘビーに違和感(トップライトを使っていたから)を感じましたがすぐに慣れます
シャフトの柔かさが相まって振れ遅れても案外飛びます
スマッシュも良く飛びますしなにより低いレシーブを返しやすいです
YONEXの説明にもありますがラケットの形が他のラケットと違い3ヶ所だけ厚く設計されていて反発と操作性を兼ね備えています
ヘッドヘビーのラケットを使ってうまく振れるかわからないって人にもオススメ出来ます

正直僕はボルテリックグランツはシングルに向いているかなって思っています
ダブルスの前衛でも使えますがどっちかって言うと後衛だと思います☺️
気になったって言う人は是非買って使ってみて下さい
(結構高いからそんな簡単に買えないけど…)

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